Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,論理的な名前空間を分散システム全体で単一としながら,論理名から物理名への写像を系統的に変化させることにより,名前空間を多重化する方法について研究を行った. 本研究で提案する多重名前空間は次のような仕様をもつ.論理的なファイルの名前を与えて,その名前に対応するファイルの物理位置を求めることを名前解決と呼ぶ.Niを一つの名前空間,xをユーザが指定した一つの名前とする.このとき,N1,N2,…,Nn xにより指定される名前解決は,名前xをN1,N2,…,Nnのそれぞれの名前空間の中でこの順で探していって,最初に見つかった名前に対応するファイルの実体の所在を名前xの物理位置とする.N1,N2,…,Nnをビューパスと呼ぶ.ビューパスを伴う名前指定は,ファイル名の名前解決を要求するたびに指定可能である. この多重名前空間の機構を,研究代表者らが以前より開発を進めている分散OS DSRシステムの,分散ファイルシステムの名前解決機構として実現した.ユーザが指定したビューパスの元で名前解決を行うためには、最も単純な実装では、ビューパスで指定された名前空間の順に名前xを探索する必要がある.この探索を高速化するために,名前空間選択テーブルと呼ばれるテーブルを各クライアントごとに保持し,このテーブルが名前空間の探索結果をキャッシュする機構を考案した.このキャッシュがヒットし,名前空間に変化が生じていない場合は,無駄な名前空間探索を行うことなく,正しい名前解決を行うことができる.また名前空間に変化が生じている場合でも正しい名前解決が行えるようにするために,一貫性維持情報をサーバ側で保持することとした.以上の機構を実装し,正しく動作し,期待する性能が得られることを確かめた.
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