Research Abstract |
本年度の研究においては,人工生物の行動表現に関する研究を中心的に,人工生物の簡易な三次元モデル作成に関する研究も行った. 人工生物の行動表現に関する研究では,仮想金魚の動き,特に群行動の創発に関する研究や水槽中の金魚を複数のカメラで撮影しその動きを抽出し仮想金魚の動きに適用する研究を行った.群行動の創発に関しては,基本的な個体の運動の定義と群の定義をすることにより,魚の群行動を創発することが可能となった.具体的には,補食者と被補食者の定義と自分のまわりの魚の行動にによって自分の行動が影響されるという特性を定義することで,群の集団的な動きを表現することができた.また,画像処理を用いた動きの抽出においては,5(frame/sec)で撮影した映像から、重心位置を抽出し,重心位置の補間および金魚の方向の推定を行い30(frame/sec)での仮想金魚の動きを表現することができた. 人工生物の簡易な三次元モデル作成に関する研究においては,図鑑から入力した魚の画像を用いて,半自動的に魚の三次元モデルを作成する手法について検討を行った.まず始めに,入力された画像から魚部分を抽出し,魚本体とヒレ部分への分割を行った.これは,魚の多くは,身体の部分が楕円体,また,ヒレの部分は平板に近い形状をしていることから,各部位の分割を行った.次に,入力した一枚の画像からは,魚の奥行きデータを推定することが困難であることから,用意した数種類の断面を選択することで,魚の三次元形状を作成した.最終的には,入力画像をテクスチャとして利用し,リアルな魚の三次元モデルを作成した.また,球や円柱などのプリミティブで表現された仮想生物の三次元モデルを自動的に生成する手法についても提案した.提案手法は,芸術的な観点から美しいとされるプロポーションの三次元モデルを作成するものであり,遺伝的アルゴリズムを用いて,均整のとれた体型になる評価関数を定義することで,多様な均整のとれた三次元モデルを作成することができた.
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