Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
次の(1)〜(4)に示す研究計画に従って研究を行った. (1)文献調査:ソストウェアテスト,レビュー,デバッグ,ソフトウェアプロセスの改善を議論している代表的な論文,専門書の中から,テストプロセスに発生する一般的な問題点やテストプロセスの改善方法について調査を実施した.その結果,帰納的デバッグにおいてはフォールトの位置特定作業を支援する手法の整備が必ずしも十分でないことが確認できた. (2)スライシングを用いたデバッグ手法の提案:フォワードトラッキングとプログラムスライス法を組み合わせた新しいフォールト特定手法を提案した.先ず,フォワードトラッキングを行い,プログラム中でフォールトが存在すると考えられる範囲を特定する.次に,特定された箇所に対してプログラムスライス法を適用して,フォールトの存在範囲を更にしぼりこむ.フォワードトラッキングを行う時に,標準的な設計仕様書の情報を用いるところに特徴がある.また,提案した手法を実際のプログラムに適用し,その有効性の確認を行った. (3)オブジェクト指向開発プロセスの観察実験:提案した手法をオブジェクト指向開発プロセスに適用し,評価するための準備として,教育環境におけるオブジェクト指向開発プロセスを対象に,各種のプロセス・プロダクトデータの収集と分析を行った.具体的には,(A)オブジェクト指向プログラムに特有なフォールトを整理・分類し,開発コスト,品質に大きな影響を与えるフォールトを分析した.(B)データ収集を支援するためのツールの試作を行った.(C)既存のオブジェクト指向プログラムの複雑度を評価するためのメトリクスの有効性とその適用方法について検討した. これらの結果に基づいて,今後はオブジェクト指向開発プロセスを対象としたデバッグ手法の開発をその評価方法について検討していく予定である.
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