Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
本研究では,複数の人間が協調して作業を行なう際に互いの進捗に与える影響について着目し,実際に観察実験を行なった.実験は,2名の被験者により設計とコーディングを分担して行ない(逐次実行と並列実行の2パターン),その進捗の度合をキ-ストロークの累積量で計ると同時に,その様子をビデオで撮影し,対話の分析を行なうというものである.実験の結果,以下のような性質を確認した. ・上流工程(設計)の遅れが直接下流工程(コーディング)の遅れに影響する ・並行化によって全体の作業時間は短縮されるが,個々の作業時間は延びる ・コミュニケーションが限定されるとコストや進捗に重大な影響を及ぼす ・下流作業の進捗が上流作業の進捗を助長する場合がある ここで得られた知見に基づき,さらに以下の2点について研究を行なった. (1)数学的モデルを用いた協調作業プロセスのスケジューラの開発 微分方程式を用いたプロセスダイナミクスモデルを元にスケジューリングのシミュレーションを行い,その結果を線表として表示し,スケジュール調整を行うシステムをJAVA言語を用いて試作した. (2)コミュニケーションチャネル・モデルに基づいた支援システムの設計 コミュニケーションを極力限定せずに,かつ,有効に管理・支援するための支援システムを設計した.このシステムでは,「チャネル#と呼ぶエージェントプログラムを話題毎に用意し,チャネルを通じたマルチ・モーダルな対話機能を提供することで,コミュニケーションの支援・管理を行うものである.現在,モデルの詳細設計を完了し,JAVA言語による実装を検討中である. 以上得られた成果により,ソフトウェア開発のような多人数による知的作業の効率向上が期待されると同時に,本機構上での対話活動を観察することで,プロジェクトの管理や作業分析を行なうことが出来ると考えられる.時間的制約により,本年度中にインターネットエージェントの開発は完了できなかったが,この点については引続き継続して行なっていく予定である.
|