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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
悪条件線形方程式は通常特異値分解を用いて解かれる.しかし,特異値分解は行列の固有値問題を解くことにより得られるため計算量が多いという欠点がある.これに対して我々はQR分解による打ち切り最小2乗最小ノルム解を提案し、その有効性を検証した.QR分解は直接法であるため特異値分解よりも少ない計算量で近似解を求めることができる.本来打ち切り最小2乗最小ノルム解はQR分解を3回行うことにより求められたが,我々の研究により2回のQR分解で同程度の精度の打ち切り最小2乗最小ノルム解が得られることが明らかとなった.悪条件線形方程式がさらに高速に解けることが確認された.特異値分解はそのアルゴリズムの性格上,すべての特異値を計算しなければならないが,本方法はあるしきい値を与えて,それ以下の特異値に相当する部分を切り捨てるため、特異値の0への集積が速い係数行列を持つ問題に対しては特に有効である. また,最適化の規準として良く知られているGCV規準が直接法による打ち切り最小2乗最小ノルム解にも適用できることがわかった.本方法はより大規模な悪条件問題や,時間依存で係数行列が変化するような問題に対しても有効であると期待される.
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