知識表現言語CARINにおけるゴール依存の抽象化の研究
Project/Area Number |
08780319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大久保 好章 北海道大学, 工学部, 助手 (40271639)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ゴールに依存した抽象化 / 類推 / 類似性 / 順序ソ-ト論理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ハイブリッド知識表現言語CARINにおけるゴールに依存した抽象化(Goal-Dependent Abstraction:GDA)の提案である.こうしたハイブリッドな知識表現においては、知識は関係的知識と語彙的知識から構成されるが、これまでのGDAは関係的知識のみを対象として定式化されていた.これを語彙的知識も扱えるよう拡張するため、本年度は第一段階として、ハイブリッド知識表現において基本となる順序ソ-ト論理におけるGDAについて考察した. GDAとは『抽象化は観点あるいはゴールに依存した動的なものである』との考えのもとに提案された枠組であり、所与のゴールに依存して適切な抽象化を計算する.ここでの抽象化は類似概念を同一視する操作に相当し、所与のゴールに依存して類似概念が動的に変化する様子がGDAにおいては観察される.本年度の研究では、これまでのGDAでは利用されていなかった語彙的知識が与える情報を新たにGDAの枠組に採り入れた.具体的には,Similarity-Inheritance Condition(SIC)とValue Restriction Preservingness(VRP)を導入して抽象化の適切さを再定義した.一言で述べると、SIC・VRPともに語彙的知識が定める概念構造に対する制約であり,これらの導入により、意味的により妥当な抽象化の自動構成が可能となった.さらに、計算機実験の結果、これらが抽象化の自動構成の効率化にも大きく寄与することが確かめられた.さらに本年度は、こうした新たなGDAの枠組を、概念の類似性検出の立場から捉え、GDAにより得られた類似性に基づいた類推の枠組を定式化し、類推が重要な役割を果たす法律の世界においてその有用性を計算機実験により確かめた.また同様な立場から、GDAによる類似性を利用した知識獲得・修正手法についても考察した.これは、類似性を知識獲得のトリガーとして利用した,これまでにない手法であり、類推研究、および機械学習研究における新たな方向性を与えるものと考えられる. 本年度の考察により、順序ソ-ト理論に対してではあるが,語彙的知識が与える情報をGDAの枠組に有効に取り込めることがわかった.また、類推や知識獲得においてGDAの有用性を示せたことは,今後の応用研究にとって大きな収穫であったと考えられる.今後は本年度の考察をさらに深め,より高度な知識表現言語をCARINに対するGDAの定式化、およびその応用を試みる.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)