証拠理論の可能世界限定解釈に基づく暗黙知ベース・システムの構成
Project/Area Number |
08780321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 哲也 北海道大学, 工学部, 助教授 (90201805)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 暗黙知 / 創発 / デンプスター・シェイファの証拠理論 / 信念形成 / 様相論理 / 画像検索システム / 暗黙知ベースシステム / 可能世界意味論 |
Research Abstract |
1.本研究の第1の目的は,デンプスター・シェイファーの証拠理論の枠組に,科学哲学者M・ポラニ-が提唱した「暗黙知」および「創発」に基づく信念の形成と呼び得る構造が内在することを理論的に示すことであった.我々が以前に提案したデンプスター・シェイファーの証拠理論における信念様相論理のモデル構造を利用して証拠に基づく信念形成の過程を定式化し,その過程において、既に大きなbeliefまたはplausibility関数の値(例えば,値1)を持つ命題は明示的な信念とみなせる一方で、未だ大きな値を持たない多くの命題が背後に存在し,それらは新たな証拠の結合によって、あるものは消え、また、あるものは明示的な信念として浮かび上がるのを待っているという暗黙知と創発現象の構造が内在することを明らかにした. 2.その一方で、証拠推論で通常仮定される有限全体集合をどう解釈すべきか、という新たな問題が浮上した。証拠推論では、対象とする有限な全体集合は識別の枠と呼ばれ、関心のある状態の有限集合である。しかし、対象として原理的に可能な命題,よって可能な状態あるいは世界は本来,無限個存在するはずである。したがって、無限の状態集合から有限の枠がどのように生成される機構が説明されなければならないのである。 3.1で得られた知見を,現在ワークステーション上に試作中の画像検索システムに適用し,暗黙知ベースシステムのプロトタイプを構成した.画像検索システムは現在,線画レベルのデータに限定されており,多数の画像データの中から,検索すべきデータが創発によって浮かび上がる現象を再現できたと考えられる.しかし,創発に対する客観的な評価基準が設定できるか更なる検討が必要であり,今後の課題とする.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)