Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,一見して何の関連性もないようなデータが与えられたときに,その中からある種の法則性を見い出し,人間が行うときと同程度の抽象概念を獲得することである.実験や観測などによって得られるデータには,物質や特性や相互作用を表した関係データだけでなく,物質の特徴を数値で表した数値データがある.これまでの研究において,数値データは,関係データのときと同様に取り扱うことが出来ないことが知られている.その原因として,全ての実数が計算可能でないという事実が挙げられる.このため,誤差を含んだ数値データを取り扱えるように,計算可能な実数とその上で定義される関数に重点をおいた研究を行なった. 計算可能な実数の表現としては,帰納的実数と区間数の2つがある.帰納的実数は,その実数に収束する有理数列として表わされ,区間数は,その実数を含む閉区間として表わされる.そこで,実数上の関数は,帰納的実数上の関数と区間数上の関数の両方の特徴を合わせもつべきである.本研究では,そのような特徴をもつ関数として,帰納的実数関数を提案し,その性質を示した.帰納的実数関数は,ある実数の有理近似値と誤差が与えられたとき,その実数の関数値の有理近似値と誤差を出力する関数によって特徴付けられる. また,実際に,誤差を含む数値データを入力として要求し,獲得すべき概念としてそのデータを説明する微分方程式を出力するシステムを計算機上で実現させた.いくつかの実験を通して,このシステムが実際的な時間で処理を行なうことを示した.しかし,今後の課題として,本手法が出力結果に与える影響を理論的に見積もることが必要である.
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