電子サイクロトロン第2高調波に対する加熱応答関数の構築と実験への適用
Project/Area Number |
08780444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
立松 芳典 筑波大学, 物理学系, 助手 (50261756)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | プラズマ / サイクロトロン共鳴加熱 / 第2高調波 / 応答関数 / タンデムミラー / ガンマ10 |
Research Abstract |
電子サイクロトロン第2高調波加熱は、ガンマ10において、サーマルバリア形成、アンカー部高ベータ加に用いられ、最近になってセントラル部電子加熱に利用されている。このため、第2高調波加熱の解析を容易に行える手段として、高調波に対する加熱応答関数を構築した。 応答関数構築の第1段階として、不均一磁場における、右まわり円偏波に共鳴する電子の軌道・速度を解析的にもとめ、加熱によるエネルギー増分を計算した。多くの研究においては、エネルギー増分の見積りは、波による軌道のずれを考慮せず行っているが、これを考慮しないと、正しいエネルギー増加は得られない。結果は、n次高調波による1回の共鳴点通過でおきる電子の位相平均エネルギー増分は、軌道のずれを考慮しないで計算したときのn倍になる。波の振幅・振動数・波数、加熱共鳴点での粒子のエネルギー、磁場の特性長などの物理量に対するエネルギー増分の関数形を導出した。 次にテスト粒子の軌道数値計算を行い、共鳴加熱によるエネルギー増加を計算し、解析的に得られた結果との比較を行った。波の振幅・波数、初期粒子エネルギーのいろいろな値に対して、共鳴点通過前後のエネルギー増分を計算した。数値計算によるエネルギーの物理量依存は、解析計算結果と非常によく一致した。従来までのエネルギー増分の表式は、磁場に垂直な波数とジャイロ半径の積(k⊥ρ)が小さい時にのみ、成り立つものであったが、今回解析的に得た表式は、k⊥ρが大きなときにも、正確に成り立つ。 上で得たエネルギー増分と加熱の特性曲線とを組み合わせることで、加熱応答関数を導いた。この応答関数をガンマ10におけるセントラル部における電子加熱実験に適用した。1回の加熱で1個の電子は平均約10eVのエネルギーを得る。ガンマ10の加熱時間では、数十keVまで加速でき、実際に観測されている高エネルギー電子の生成を第2高調波加熱で説明できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)