炭素材料を用いた大気圧マイクロ波プラズマの生成機構と炭素分子合成に関する研究
Project/Area Number |
08780457
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
桑原 清 長崎大学, 海洋生産科学研究科, 助手 (30264203)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 大気圧プロセス / マイクロ波放電 / 準安定原子 / 熱的非平衡プラズマ / フラーレン |
Research Abstract |
動作気圧が比較的高い条件(数十〜数百torr)に設定されたアルゴン、またはヘリウムガス雰囲気中において、炭素固体材料へマイクロ波を照射することによるマイクロ波放電プラズマの生成を試みた。そこで、この放電プラズマの生成維持機構、およびその放電系を炭素蒸気発生用リアクターとして利用することによるフラーレン合成に関する研究を遂行した。 まず、炭素固体材料の有無によるマイクロ波プラズマ発生の相違を検討するために、プラズマ生成に要するマイクロ波入射電力の動作気圧依存性を測定した。その結果、動作気圧が増加した場合、炭素材を有する系では、炭素材の無い系と比較して低入射電力においてマイクロ波プラズマが発生することがわかった。その際、炭素材料表面は赤色に加熱され、放射温度計によりその表面温度を測定したところ、約1000Kであった。また、アルゴンガス雰囲気中に窒素ガスを0.6%添加したマイクロ波吸収電力200Wにおける放電系の炭素材表面近傍での電子温度、ガス温度および石英管壁温度などをそれぞれダブルプローブ、光吸収分光および熱電対により計測した。その結果、動作気圧20torrのとき、電子温度は約2eV、炭素分子及び窒素分子の振動温度は共に約0.35eV,窒素分子回転温度は約0.13eV、石英管壁温度は約600Kであった。以上より、中世アルゴン温度は0.05〜0.13eVの範囲にあると推測され、この放電系は熱的非平衡であることが確認された。これよりマイクロ波プラズマの生成維持機構としては、炭素からの熱電子供給による放電維持が支配的であると考えられる。 つぎに、この炭素材を有する放電リアクターによるフラーレン合成を試みた結果、ヘリウムガス系において炭素クラスターが効率よく生成され、特にその動作気圧100torrおよびマイクロ波吸収電力200Wのとき、炭素分子量が60および70のフラーレンが効率よく形成されることが質量分析により確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)