Project/Area Number |
08780476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
エネルギー学一般・原子力学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 立身 九州大学, 工学部, 助手 (60264090)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 軽水炉 / 高燃焼度化 / ジルカロイ-2 / 内面腐食 / 酸化 |
Research Abstract |
混合酸化物燃料の軽水炉での利用及び高燃焼度化を進めるにあたり、燃料被覆管の内面腐食を研究することは燃料の健全性を考える上で重要である。本研究では、内面腐食の最も基本的な腐食形態である酸化について注目し、酸素分圧の異なる混合ガス雰囲気においてジルカロイ-2被覆管材の酸化実験を行い、その挙動について検討した。 酸化実験での試料の重量変化の測定は熱天秤を用いて行った。反応管内の雰囲気の酸素分圧を緩衝ガス混合法により調整した。混合ガスには、CO^2、CO/CO_2、Ar/H_2を用い、ほぼ大気圧で試料上を通過させた。また、雰囲気の酸素分圧は安定化ジルコニアを用いた酸素センサーで測定した。実験条件は、酸化温度450〜600℃、時間0〜24hに設定した。酸素分圧は1×10^<-30>〜2×10^<-2> atmであった。 ジルカロイ-2の酸化による重量変化は本実験条件の範囲内ではW^3=k・tで表される3乗則に従って増加することが分かった。ここで、W[mg/cm^2]は重量増加、kは速度定数、t[min]は時間である。速度定数と温度の関係から酸化反応の活性化エネルギーを求めると、CO_2、CO/CO_2、Ar/H_2に対して、それぞれ145、171、188kJ/molになった。本研究においては速度定数の酸素分圧依存性は見られかった。これは酸化皮膜の成長が酸素空孔の拡散に支配されているためであると考えられる。走査型電子顕微鏡による断面観察から、600℃で生成した酸化皮膜と下地ジルカロイの界面付近には試料の表面と平行なクラックの存在が認められた。またX線解析法による構造解析の結果から、酸化皮膜は単斜晶ジルコニアの構造を持つことが分かった。
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