ICP質量分析法を用いた天然水中微量金属の存在量と存在状態に関する研究
Project/Area Number |
08780500
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 彰英 名古屋大学, 工学部, 助手 (60273265)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 天然水 / 微量金属 / ICP-MS / speciation / 金属錯化容量 / サイズ排除クロマトグラフィー / キレート樹脂濃縮 / 限外ろ過 |
Research Abstract |
本研究では、高感度かつ多元素迅速分析が可能な誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いた天然水中微量金属の定量法(キレート樹脂濃縮/ICP-MS)と溶存高分子有機態金属の存在状態分析法(サイズ排除クロマトグラフィー/UV/ICP-MS)を、湖沼水の分布測定に適用した。溶存高分子態有機物が金属元素の溶存量あるいは溶存状態に与える影響を検討し、天然水における金属イオンの循環過程について知見を得ることを目的として研究を行った。 天然水試料として琵琶湖北湖の垂直分析測定を行った。溶存元素濃度に関しては主成分元素も合わせて、約40元素の分布を得ることがてきた。湖水の温度躍層または湖底付近で濃度変化が見られる元素が多かった。高分子有機態元素については、池水試料の場合と同様に、分子量300000以上の成分(Peak 1:コロイド状有機物)と分子量10000〜50000の成分(Peak 2:分子状有機錯体)に分離検出され、15元素が有機物と結合して溶存していることが確認された。Fe,Al,PbなどはPeak 1に、Cu,Zn,MoなどはPeak 2に主に検出されるという特徴が見られた。また、躍層と湖底付近では金属、有機物ともにPeak 1/Peak 2が高くなり、深度による存在状態の変化を見ることができた。 また、金属と高分子態有機物との相互作用に関しては、大学構内の池水を試料とし、Peak 1に主に見られるPbとPeak 2に主に見られるCuの添加効果についても検討した。SEC/UV/ICP-MSシステムにより測定した結果、PbはPeak 1に、CuはPeak 2にそれぞれ取り込まれやすいことがわかった。また、濃縮同位体スパイクを用いたトレーサー実験により、添加金属の交換量とその時間変化についても検討し、環境水中に放出された有害金属等の運命を予測する上での一つの指標として利用できる可能性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
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