Project/Area Number |
08780517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森川 多津子 北海道大学, 工学部, 助手 (90210153)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 光化学オキシダント / 炭化水素 / 低公害自動車 / 数値シミュレーション / 都市大気汚染 |
Research Abstract |
本研究は、低公害自動車の導入にともなう炭化水素組成変化が、光化学オキシダントの発現におよぼす影響を主に数値解析により探ることを目的とした。対象とした低公害自動車は電気自動車、メタノール自動車、天然ガス自動車、および近年、低公害燃料として可能性が浮上してきたジメチルエーテル(DME)について検討した。また、当初の計画予定にはなかったが、発電機を備えたシリーズ型ハイブリッド自動車についても検討した。使用したモデルは1次元であるため、光化学オキシダントやNO_2の実測値との対応はやや困難な部分もあり、低公害自動車の導入がない場合との比較で結果を評価した。 それによると、首都圏中心部においては、検討したすべての低公害自動車について、光化学オキシダントにおよぼす影響はほとんどないものと考えられた。炭化水素の排出がまったくない電気自動車についても光化学オキシダントにおよぼす影響はほとんどなかった。これは、首都圏においては、炭化水素濃度が光化学反応におよぼす影響が小さく、かつ、自動車起源の炭化水素は10%程度という推定結果が得られているためである。 一方、これまでの著者らの研究で得られていた、都市中心部のC_2〜C_5炭化水素成分実測値を考慮すると、移動発生起源と考えられる一酸化炭素濃度および一酸化窒素と対応が非常によくとれており、自動車起源の炭化水素発生量の推定結果はやや過小評価となっているものと考えられた。そのため、数値シミュレーションによる評価を行うだけでなく、都市大気汚染の解明のために、発生源別の炭化水素量、および成分を見直していく必要があると考えられた。
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