Project/Area Number |
08780518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徐 開欽 東北大学, 工学部, 助教授 (20250722)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 干潟 / 水質 / 浄化 / 窒素 / リン / 有機物 / 養魚場排水 / 底泥 |
Research Abstract |
干潟における水質浄化機能を検討するために、干潟底泥を着目して、今まであまり研究されていない干潟底泥のDO消費特性、水質(主に有機物、窒素・リン)浄化機能について、実際養魚場排水の流入を受けている干潟砂質底泥を用いて、一日の干潟干満の変化を追いながら疑似現場実験を行った。得られた結果は以下の通りである。 1)懸濁成分が多く含まれている養魚場排水が干潟システムに流入した場合、一潮干満サイクルを通じて干潟底泥によって除去されたことが明らかになった。 2)溶存態成分であるPO_4-Pなども同様に養魚場排水の入った系では減少の傾向を示したが、対照系ではほとんど変化がなかった。一潮干満の間でも硝化や脱窒反応が起こっている可能性が示された。干潟に流入する有機物や栄養塩類のような汚濁物質は、主として潮汐作用によって表面水が底質内を通過する際の物質交換、ろ過により除去されることが判った。 3)干潟システムの底泥が攪乱されることによって窒素やリンの除去率が低下することが認められた。これは干潟態系に人為的な開発や埋立等の攪乱にる水質浄化機能の低下を招く可能性があることが示された。 4)一潮干満の短い間においても養魚場排水の流入する系において、NH_4-Nが30%, NO_2-Nが19%, NO_3-Nが21.6%, PO_4-Pが40.5%, TOCが41%, CODが44.4%, SSが72.6%, Chl-aが84.6%除去されていることが認められた。養魚場排水のような汚濁した水に対しても砂質干潟システムによる有機物の分解,硝化、脱窒やリンの吸着摂取等の浄化機能が発揮され、特にSS, Chl-a等の懸濁成分の除去には優れていることが判った。 今後、砂質干潟を中心に、浄化に寄与する干潟底質に付着する微生物の挙動、養魚場排水が干潟生態系に与える影響等についてさらに検討する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)