Project/Area Number |
08780532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石原 淳 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80250413)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アザジラクチン / エリシター / シリンゴライド |
Research Abstract |
植物は進化の過程で、外敵から身を守るために様々な防御物質を生成する術を獲得してきた。近年これらの防御物質が数多く発見されているが、その作用機構の多くは未解決であり、この解決法としこれらの化学物質の合成研究は必要不可欠である。本研究では、現在多くの関心を集めているアザジラクチンとシリンゴライド1の合成研究を行った。 まず、強力な昆虫摂食阻害剤であり人畜無害な新世代農薬と目されるアザジラクチンの合成研究を行った。不斉還元により光学活性体としてポリエン化合物を合成し、これを基質とした熱的Diels-Alder反応により3環性化合物を得た。さらに化学変換を行い、アザジラクチンのデカリン部位に対応する7つの不斉炭素を有する4環性化合物を合成した。 次に植物における免疫機構を担う物質として初めて単離された外因性エリシター、シリンゴライド1の全合成を行った。ブチロラクトン誘導体を出発原料とし、AD-mix不斉ジオール化反応により光学活性なアルコール体とした。さらに分子内アセタール化およびMichael反応により、世界で3番目のシリンゴライド1の全合成を達成した。 これら二つの天然物はいずれも防御に関わる物質として有機化学のみならず生物学からも広く注目されている化学物質であり、本合成研究によって得られた成果はこれらの防御機構解明の一助となるであろうと考えられる。
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