海産抗腫瘍性物質アプリロニン類の合成と生物活性発現の分子機構
Project/Area Number |
08780542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
末永 聖武 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60273215)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 抗腫瘍性物質 / アプリロニンA / 細胞毒性 / アクチン脱重合活性 / 合成 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
海洋産抗腫瘍性物質アプリロニンAの化学構造と生物活性の相関を明らかにするため以下の研究を行った。生物活性の検定を目的として、天然アプリロニンAから3種類の類縁物質を合成した。さらに12種類の類縁物質を設計し、アプリロニンAの合成で得られた知見に基づきこれらの人工類縁物質を合成した。アプリロニンA、B、Cと上記15種類の類縁物質の腫瘍細胞(HeLaS_3)に対する細胞毒性およびアクチン脱重合活性の検定を行い、化学構造と生物活性の相関を解析した。その結果、アプリロニンAの細胞毒性には、トリメチルセリン基、共役ジエン構造、マクロラクトン側鎖の存在とその長さ、および水酸基が重要であり、ジメチルアラニン基、末端エテミド構造は活性に重要ではないことが判明した。また、アプリロニンAのアクチン脱重合活性には、マクロラクトン側鎖の存在とその長さおよびマクロラクトン構造が重要であり、マクロラクトン部に存在する官能基は活性に重要ではないことが明らかになった。以上の結果、アプリロニン類の細胞毒性とアクチン脱重合活性の発現には共にマクロラクトン側鎖の存在とその長さが重要であることが判明した。また、マクロラクトン部に存在する官能基が活性に及ぼす影響は上記2種の生物活性では異なることが明らかになった。すなわち、トリメチルセリン基、共役ジエン構造、水酸基は細胞毒性発現には重要であるのに対し、アクチン脱重合活性にはこれらの官能基の有無はほとんど影響のないことが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)