肝細胞増殖因子の活性化を制御する新規なセリンプロテアーゼインヒビターの構造と機能
Project/Area Number |
08780554
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伝田 公紀 東京工業大学, 生命理工学部生命理学科, 助手 (50212064)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / 血液凝固繊溶系 / セリンプロテアーゼ / Kunitz型インヒビター / カスケード反応 / LDLレセプター |
Research Abstract |
肝細胞増殖因子(HGF)は、生体内に広く分布し、肝臓・腎臓・肺等で組織損傷の修復・再生など多様な生理活性を有する。最近当研究室でHGFの局所的な活性発現を担うセリンプロテアーゼ(HGF activator)が同定された。組織障害に応答したHGFの活性化機構はプロテアーゼの多段階カスケードを介し、その際のHGFの活性発現においてHGF activatorの活性制御が重要である。ごく最近、HGF activatorの活性を阻害するインヒビター(HAI)が申請者らにより単離された。cDNAの構造解析の結果、HAIはLDLレセプターリガンド結合ドメインを有する膜結合性のKunitz型セリンプロテアーゼインヒビターであることが明らかになった。そこで本研究では、この新しいタイプの機能蛋白分子の生体内における生理的意義を解明することを目的として、まず動物細胞を用いた発現系を作製した。 cDNAを動物細胞で高度に発現するSRαプロモーターをもつ発現ベクターに組み込み、動物細胞にトランスフェクションさせ、蛋白質を発現させた。トランスフェクションさせた細胞を大量培養して過剰発現したHAIを精製してその生化学的性質を調べた。その結果、HGFを変換させる阻害蛋白が発現していた。しかし、その発現量が少ないことから、動物細胞を用いた系での発現をより効率よくする工夫が必要である。大腸菌の系で得られた発現蛋白は阻害作用がなかった。一方、ごく最近、HGFの活性化を阻害するHAIとは全く異なる蛋白が存在することが発見され精製され、そのcDNAを遺伝子ライブラリーより単離し構造解析した結果、さらに新しいタイプのインヒビターだった(manuscripts in preparation)。今後は動物細胞で発現させたこれら阻害蛋白の膜結合型から分泌型への変換および各機能ドメインを欠失させた変異蛋白を作製しその機能変化を解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)