カブトガニ血球細胞中に含まれる体液凝固インヒビターの構造と機能の解析
Project/Area Number |
08780566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
三浦 芳樹 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (90279240)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | セルピン / カブトガニ / インヒビター |
Research Abstract |
カブトガニ血球細胞には複数のセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)が存在し、既に2種のLimulusIntracellular Coagulation Inhibitor (LICI) type-1,type-2の精製、クローニングが行われている。今回、LICI-1,-2とは特異性の異なるインヒビター(LICI-3と命名)の精製、クローニングを行った。LICI-3はデキストラン硫酸セファロース、セファクリルS-200とpHの異なる2回のDEAEセファロースにより精製され、その分子量は53,000であった。LICI-1,-2がそれぞれカブトガニ体液凝固系セリンプロテアーゼC因子、凝固酵素を阻害するのに対し、LICI-3は真菌等の細胞壁の構成成分である(1,3)-β-D-glucanにより活性化されるセリンプロテアーゼG因子を最もよく阻害した(k_1=3.9x10^5M^<-1>s^<-1>)。精製LICI-3をリシルエンドペプチダーゼにより消化し、逆相系HPLCによりペプチドを分取の後、気相シーケンサーによりアミノ酸配列を決定した。得られたアミノ酸配列情報を元にプローブを作成し、カブトガニ血球cDNAライブラリーより、LICI-3のcDNAを得た。LICI-3はシグナル配列22残基、インヒビター部392残基よりなり、その反応部位の配列はArg-Serであった。相同性解析を行うとLICI-3は他のLICI同様にシグナル配列は持つものの白血球エラスターゼインヒビター(35%)等の細胞内セルピンと高い相同性を示した。各種臓器より調整したtotalRNAに対し、RT-PCRによりLICI-3の発現組織を調べると血球のみで特異的増幅がみられ、血球細胞以外の組織で発現していないと考えられた。次に血球内での局在を明らかにするために抗LICI-3抗体を用い、大・小顆粒画分に対しウェスタンブロティングを行った。抗LICI-3抗体は大顆粒画分に反応し、他のLICI同様に体液凝固系プロテアーゼと共に大顆粒中に存在し、リポ多糖などの刺激により細胞外へ放出されると考えられた。そこで血球細胞にカルシュウムイオノフォアA23187を加え、LICI-3の細胞外へ放出を調べるとイオノフォアにより細胞外に放出された。このことは構造上は細胞質に存在する細胞内セルピンに相同性が高いものの、シグナル配列を持ち顆粒内に存在し、刺激により細胞外に放出される点で大きく異なっていた。
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Report
(1 results)
Research Products
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