エリスロポエチン及びスロンボポエチンの系列特異的作用機序の解析
Project/Area Number |
08780607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
永田 由香 理化学研究所, 安全評価研究室, 基礎科学特別研究員 (40281620)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エリスロポエチン / スロンボポエチン / シグナル伝達 / JAK / STAT / JNK / サイトカイン / レセプター |
Research Abstract |
造血細胞の分化系列特異性や機能特異性を決定するシグナル伝達機構を解明するために、エリスロポエチン(Epo)、スロンボポエチン(Tpo)、及びIL3の3種類のサイトカインのレセプターを介した細胞内シグナル伝達機構を生化学的に解析した。サイトカインに固有と考えられているJAK-STAT伝達経路については、IL3とTpoの場合にはJAK2とTyk2が活性化され、Epoの場合には、JAK2のみが活性化されるという違いがあるものの、転写因子レベルではSTAT1、STAT3、STAT5が共通に活性化された。このことは、JAK-STAT系だけでは系列特異性を決定できないことを示唆しており、シグナルにおいてIL3、Epo及びTpoの情報は細胞内に入ると本質的な相違はないことが判明した。 また、最近同定されたMAPキナーゼスーパーファミリーに属するJNKの経路についても解析した。JNKはストレス刺激により活性化され、その活性化には上流のSEK-1が関与しており、このシグナル伝達経路はアポトーシスを誘導することが知られている。興味深いことにJNKがIL3、Epo、Tpo刺激によっても活性化されること、さらにJNKの活性化がSEK-1によるものではないことを明らかにした。このことは、JNK経路がストレス応答ばかりではなく、造血因子であるサイトカインでもシグナル伝達に重要な役割を担っており、これらのサイトカインによるJNK活性化の場合には、SEK-1以外のキナーゼが存在する可能性を示唆している。現在は赤血球及び巨核球特異的なシグナル伝達機序の解析を行うとともに、造血細胞においてサイトカインによりJNK経路が活性化される生理的意義についての更なる解析をすすめている。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)