Project/Area Number |
08780616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川岸 郁朗 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80234037)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 温度感覚 / 化学感覚 / シグナル伝達 / 受容体 / センサー / 非対称性 / 分子生物学 / 分子認識 |
Research Abstract |
大腸菌の「味覚」センサーである化学感覚レセプターについて以下のような知見を得た. (1)リガンド識別機構.アスパラギン酸レセプターTarとセリンレセプターTsrは,一次構造上の相同性が高いにも関わらず,アスパラギン酸とセリンを正確に識別する.Tarリガンド結合ドメインの結晶構造解析によりアスパラギン酸と相互作用する残基が同定されているが,そのうちTsrにおいて保存されていない残基を入れ換えてもリガンド特異性は変わらなかった.したがって,リガンド結合残基以外の領域がリガンド特異性を決定している可能性が高い.現在はこの仮説についてさらに検討中である. (2)情報変換機構.Tarは二つのサブユニットで一分子のリガンドを挟み込むが,リガンドの有無に関わらずダイマーとして存在する.したがって,ダイマー内構造変化が情報変化の本質と考えられる.二つの変異Tarの同時発現系を利用した解析により,ダイマー当たり一つしか細胞質側シグナル産生ドメインをもたないTarが,ほぼ正常なアスパラギン酸応答を媒介するという注目すべき結果を得た.このことは,シグナル産生には,細胞質側シグナル産生ドメインのサブユニット間相互作用ではなく,サブユニット内構造変化またはダイマー間相互作用が必須であることを示している(すでに発表済み).この研究の過程で,ダイマーによるシグナル産生の非対称性についても見いだし,現在発表準備中である. また,シグナル変換機構を理解する上でとくに興味深い現象として,Tarが温度センサー機能をもつこと,そしてその性質がリガンドの有無によって逆転することがあげられる.本研究ではこの現象についても解析し,温度センサー機能の逆転がレセプターのメチル化によることを明らかにした(すでに発表済み).
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)