走査型プローブ顕微鏡による有機・生体分子からなる薄膜の分子内機能単位での研究
Project/Area Number |
08780619
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比野 政裕 名古屋大学, 工学部, 助手 (00242834)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / 固液界面 / 有機分子 / 生体分子 |
Research Abstract |
界面を利用すると有機・生体分子は自己集合により構造をとることが知られている。そこで、本研究では、第1に、固液界面を利用して有機・生体分子の2次元配向膜をグラファイト基板上に作成し、その薄膜の物性を走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて測定した。特に2本の炭化水素鎖の間にエーテル、エステル、ケトン基を挟んだ直鎖状の有機分子からなる薄膜のSTM観察を行った。各種の官能基はSTM像の炭化水素鎖のメチレン基のコントラストと比較して識別できた。すなわち、分子内の各種の官能基はトンネル現象によって識別することが可能である。さらに、これらの分子の2次元配向は官能基の種類によって異なった。このことは、有機分子からなる2次元配向膜の制御において重要な意味を持つ。 第2に、有機分子の自己集合に気液界面を利用した(ラングミュアーブロジェット(LB)法)。この方法を用いて、脂肪酸分子の2次元配向膜(LB膜)を作成し、原子間力顕微鏡(AFM)により分子の配向を検討した。この配向膜では分子が六方格子を組むことは既に報告されているが、格子欠陥を含む領域の直接観察は難しく、成功した場合でもAFM像にフーリエ変換等の画像のデジタル処理を施す必要があった。我々は、注意深く、且つ、詳細に薄膜の表面構造を調べることによって、これらの画像処理を用いることなく、転位等の格子欠陥の存在をAFMの直接観察によって示すことに成功した。この結果は、有機分子からなる2次元配向膜においても金属・半導体等の薄膜と同様に2個1組の転位の存在はエネルギー的に有利であり、その結果として、この転移は配向膜に内在することができることを支持する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)