Project/Area Number |
08780645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 浩介 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20262074)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 転写制御 / 細胞周期 / TGFβ |
Research Abstract |
D-typeのcyclin dependent kinase (cdk4,cdk6)の活性阻害蛋白質であるp15(INK4B)は、TGFβ刺激によってその発現が上昇し、cdk4ないしcdk6に結合してそのキナーゼ活性を阻害することで細胞の増殖を停止させると考えられており、TGFβの作用を媒介する重要な分子であると考えられている。そこでまず、TGFβ処理によるINK4BのmRNAレベルの変動について調べた。 TGFβ処理によって増殖が停止する肝細胞癌由来の細胞株HepG2をTGFβ処理した際のINK4BmRNAレベルをRT-PCR法により調べたところ、TGFβ処理後4時間で誘導され、18時間でさらにそのレベルが上昇していた。対照としたINK4A遺伝子(INK4ファミリーに属する)のmRNAレベルは常に一定であった。また、蛋白質合成阻害剤であるシクロヘキシミド存在下でもINK4BmRNAの誘導が観察されたことから、この発現誘導がTGFβのレセプターを介したシグナル伝達系のすぐ下流に位置する現象であることが推測された。 次に、すでに単離したマウスINK4Bのプロモーター約700bpについて塩基配列を決定し、その活性をluciferase assayによって検討した。プロモーターを結合したreportar plasmidをHepG2細胞にtransfectすると、TGFβ処理によってluciferase活性が5倍程度上昇した。そこで、プロモーターのさまざまな部分を欠失させたreporter plasmidを構築して同様のassayを行ったところ、TGFβによる活性の上昇には少なくともプロモーター上の2つの領域が関与していることがあきらかになった。現在、これらの領域に結合する転写制御因子の同定を試みている。このような因子はTGFβによる細胞増殖の停止のシグナルを直接受容するものである可能性が高いと考えている。
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