Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ウナギのゲノムライブラリーより,ウナギ全DNAを鋳型とした試験管内転写反応により調整したプローブを用いて,SINE(short interspersed element:短い散在性の反復配列)を含むクローンを単離した.幾つものクローンを塩基配列決定したところ,二種類のSINEユニット(転移する単位)配列の存在が明らかになった。それらのうち一つの3′側配列は,すでに当研究室で報告されている論文中で,ウナギのLINE(long interspersed element)様配列として記載されているものと塩基配列を共有していた.その論文中では3′末端配列を共有することでSINEがLINEの逆転写酵素を流用できるようになったという仮説を提唱しているが,今回単離したSINEとLINEの組み合わせは,ウナギ精細胞の各発生段階での発現パターンが解析できるため,その仮説を証明することが可能であると考えた.そのため次に,保存された逆転写酵素をもつLINE配列を単離することを試みた.まず3′末端配列からカセットPCR法を用いて5′方向へ共通配列を伸長していく方法を試みた.また多くの逆転写酵素に共通なモチーフを用いてプライマーを設計し,ウナギゲノムよりPCRによって増幅して塩基配列を決定し,3′方向へウォーキングを試みた.両者とも徐々にではあるが進行中である.これと同時に決定された配列を含む遺伝子座をゲノムライブラリーより単離することも試みている.LINEの配列が決定され次第,その逆転写酵素がSINEを鋳型にできるかの実験と,ウナギ精細胞の各発生段階における発現パターンを解析する予定である.
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