細胞性粘菌のアクチン結合タンパク質コフィリンの機能解析
Project/Area Number |
08780691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
藍澤 広行 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (90221704)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 細胞運動 / 細胞生物学 / 分子生物学 / アクチン / コフィリン |
Research Abstract |
細胞性粘菌をもちいてコフィリンの機能解析を行っている。前年度において、試験管の中でコフィリンがアクチン繊維を切断することによりアクチンの網状構造体を束状構造体に変換しうることを示した。さらに、細胞性粘菌においてコフィリンを大量に発現すると、アクチン繊維の束化が促進され、また、細胞の運動が約2倍ほどに促進されることを示した。細胞性粘菌の細胞内において、コフィリンの下流でおこるこの2つの現象の因果関係を明らかにすることがコフィリンの役割の1つを明らかにすることである。その第一歩として本年度は間接蛍光抗体法ならびにGFPコフィリン発現法により、細胞内におけるコフィリンの局在についての詳細な検討を行った。餌に接触した粘菌細胞は、接触刺激に誘発されて貧食口を餌の周囲に発達させる。この反応において、コフィリンは貧食口の餌との接触面に形成されるアクチン束に結合していた。餌に遭遇していない細胞においても、粘菌細胞は王冠状構造を延ばしたり縮めたりしている。コフィリンは、この王冠状突起構造が伸長した後に収縮する直前に、王冠の辺縁部に形成されるアクチン束に一過性に結合していた。また、粘菌細胞をDMSOで処理すると、細胞表面に発達していた突起状構造体が全て細胞体に収縮する。コフィリンはこのときに細胞膜直下に一過性に形成されるアクチン束に結合していた。これらのアクチン束はすべて、細胞の激しく運動する場所において収縮力を発生するための構造であると考えられる。以上の観察結果は、コフィリンが収縮性アクチン束の形成を促進することによって、細胞運動に必要な力を発生させている可能性を支持している。
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Report
(1 results)
Research Products
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