Project/Area Number |
08780709
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
畠山 正統 神戸大学, 理学部, 助手 (50281142)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 卵黄蛋白質 / ビテロジェニン / 昆虫 / 膜翅目 / 抗原共通性 / クローニング / 分子系統樹 |
Research Abstract |
亜目によって合成のプロファイルが異なる膜翅目昆虫の卵黄蛋白質の機能、およびその遺伝子構造における相違点、共通点、保存性を解明すめために、1)カブラハバチ(Athalia rosae、広腰亜目)の卵黄蛋白質cDNAおよび抗カブラハバチ卵黄蛋白質抗血清を用いた卵黄蛋白質遺伝子の保存性および抗原共通性の解析、2)細腰亜目に属する寄生蜂、チビキアシヒラタヒメバチ(Pimplanipponica)卵黄蛋白質cDNAのクローニングおよびその構造解析、を行った。 1)野外採集した膜翅目広腰亜目(2科12属21種)の卵黄蛋白質について調べると、科を越えて抗原共通性が見られ、卵黄蛋白質mRNAの塩基配列も類似していることがわかった。これまでの「卵黄蛋白質の抗原共通性は科内に限られる」という報告と明らかに異なる結果が得られた(Takadera et al.,1996.J.Insect Physiol,42;417-422)。 2)チビキアシヒラタヒメバチ卵黄蛋白質の全長をコードするcDNAのアミノ酸配列は、カブラハバチを含む既知の昆虫6種の卵黄蛋白質のものと非常に類似性が高く、同じ遺伝子スーパーファミリーに属することが示された。これまで合成プロファイルの違いから異なるとされていた膜翅目細腰亜目の卵黄蛋白質が他の動物の卵黄蛋白質と類似していることから卵黄蛋白質の栄養分として以外の機能の保存性が示唆された(Nose et al.,in preparation)。 本研究の結果から、昆虫の卵黄蛋白質における構造の保存性が明らかとなり、その機能の共通性が強く示唆された。また、予備的に昆虫卵黄蛋白質のアミノ酸配列を用いて無根系統樹を作成したところ、形態的特徴から作られたいくつかの系統樹と一致する結果が得られ、卵黄蛋白質は分子系統分類に利用できる可能性を示しており、今後の検討課題である。
|