ホヤ卵分化決定因子の局在や機能発現に関わるRNA結合タンパク質の探索
Project/Area Number |
08780715
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
西方 敬人 甲南大学, 理学部, 講師 (80212116)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ホヤ / RNA結合タンパク質 / Y-boxタンパク質 / コールドションクドメイン / オールタナティブスプライシング / 決定因子複合体 |
Research Abstract |
本研究は、ホヤ卵における決定因子複合体の構成分子として、RNA結合タンパク質に注目している。今回、RNA結合タンパク質であるY-boxタンパク質遺伝子の単離に成功した。Y-boxタンパク質とは、多くの動物腫でよく保存されたコールドショック・ドメイン(CSD)を持ち、mRNAと結合して翻訳を阻害することが示されているタンパク質である。 CSDのアミノ酸配列から、RT-PCR法によりホヤ卵および胚で発現しているCSDのPCR断片を単離した。さらに、cDNAライブラリーのスクリーニング、3'RACE、5'RACEにより、CiYB-1,CiYB-2と名付けた2種のY-boxタンパク質全長cDNAを単離した。両cDNAはそれぞれ1777bp、1328bpであり、320残基、246残基のアミノ酸をコードしていた。両タンパク質は、よく保存されたCSDを持ち、その下流に塩基性のアミノ酸の多い領域と酸性アミノ酸の多い領域が交互に出現するY-Boxタンパク質に特徴的な構造を持っていた。 次にCiYB-1、CiYB-2両遺伝子の卵巣および初期胚での発現を、RT-PCR、ノザン解析、in situハイブリダイゼーションにより明らかにした。両遺伝子は、未成熟な卵巣で盛んに発現し、未受精卵から初期卵割期において母性遺伝子として細胞質全体に存在していた。その後、のう胚形成期以降、発現が高まり、CiYB-1は幼生の尾の筋肉細胞で特異的に発現し、CiYB-2は脳胞、間充織細胞、神経索、尾の先端などで発現し、筋肉と脊索では発現していなかった。 また、CiYB-1、CiYB-2両遺伝子のゲノム構造を解析したところ、両RNAは同一の遺伝子からのオールターナティブ・スプライシングにより作られることが明らかになった。このことは、Y-box遺伝子がホヤのゲノム上に1個存在することを示した、サザン解析の結果と一致する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)