Project/Area Number |
08780752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
田中 正彦 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (60267953)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | IGF-I / ICE / 小脳顆粒細胞 / アポトーシス / 発生段階特異性 / ラット |
Research Abstract |
神経発生が進行する過程での発生段階特異的な神経細胞死の機構を解明するために、ラット小脳の切片培養系を用いて、外顆粒層と内顆粒層の顆粒細胞死及びその調節機構を検討した。TUNEL法及び蛍光色素を用いた色素排除法によって、外顆粒層と内顆粒層の細胞死を検出した。外顆粒層においては、培地中からinsulinを除去することにより、TUNEL法陽性・色素排除法陰性の細胞死(アポトーシス)が誘導された。一方、内顆粒層においては、insulinの有無に関わらず、色素排除法陽性・TUNEL法陰性の細胞死が見られた。蛋白合成阻害剤により、前者は抑制され、後者は抑制されなかった。以下、前者(外顆粒層でのinsulin感受性アポトーシス)について詳細に検討した。(1)TUNEL法と発生段階特異的マーカー蛋白に対する抗体染色との二重染色を行った結果、アポトーシス細胞の一部が増殖細胞マーカー(PCNA)を発現していたのに対し、増殖終了直後の顆粒細胞のマーカー(TAG-1)を発現しているものは皆無であった。(2)IGF-Iアナログは、insulinよりも低濃度でこのアポトーシスを抑制した。(3)ICE様プロテアーゼ阻害剤がこのアポトーシスを抑制した。アポトーシス条件で、ICEの発現量の増加は認められなかったが、ICE様プロテアーゼ活性の増加が認められた。(4)高濃度のK処理は、このアポトーシスを部分的に抑制した。以上のように、切片培養系を有効に活用することにより、発生中の小脳において顆粒細胞の発生段階に特異的な細胞死の機構が存在することが示された。外顆粒層での細胞死はアポトーシスの性質を有し、増殖中の細胞で特異的に起こるものであり、ICE様プロテアーゼが関与し、IGF-I受容体刺激により抑制されることが明らかになった。このアポトーシスの少なくとも一部はK非感受性であることが示唆された。内顆粒層で起こる細胞死の機構については、今後の課題として残った。また、他のICEファミリープロテアーゼの関与やその活性化機構も今後の重要なテーマの一つである。
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