Project/Area Number |
08780798
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory animal science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田川 陽一 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (70262079)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Con A誘導肝炎 / ノックアウトマウス / IFN-γ / アポトーシス / TNF-α / Fas / MHV / ICE |
Research Abstract |
Con A誘導肝炎は、T細胞から分泌されるサイトカインによって引き起こされる病気で、ヒトのウイルス性肝炎のモデルとして重要である。先に、我々はIFN-γKOマウスや1prマウスを用いて、この系ではIFN-γがFasシステムを活性化することにより肝実質細胞アポトーシスを引き起こしていることを明らかにした。ヒトのウイルス性肝炎の場合もIFN-γの亢進が認められることから、同様の機構が働いている可能性が考えられる。本年度はIFN-γ及びTNF-α,IL-1の各KOマウスを用いて、IFN-γ誘導アポトーシスの機構について検討した。 Con A誘導肝炎に対してIFN-γKOマウスは低感受性を示したのに対し、TNF-α、IL-1α/βKOマウスでは発症が抑制されなかった。Con A投与のコントロールマウスでは、Fasの下流のプロテアーゼとして知られるICEの発現が2倍に上昇し、IFN-γKOマウスではその上昇は見られなかった。以上のことから、Con A肝炎において、TNF-αやIL-1は発症に関係していないことがわかり、さらに、fasの発現亢進だけでなく、IFN-γによるICEの発現誘導がCon A肝炎におけるFasシステムの感受性を高めている可能性が示唆された。さらに、ウイルス性急性肝炎患者の生検の病理解析よりCon A誘導肝炎同様に肝臓細胞のアポトーシスを確認した。最近、その他の多くのウイルスにおいても感染細胞のアポトーシスが報告されており、ウイルスが感染すると個体を守るためにIFNが産生されるのだが、そのIFNは宿主細胞のアポトーシスを誘導し炎症を引き起こす原因になっている可能性が考えられた。 また、IFN-γKOマウスはマウス肝炎ウイルス(MHV)感染に対して高感受性を示し、肝臓におけるウイルス感染の防御にIFN-γが重要な働きをしていることもわかった。
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