自然発症骨粗鬆症モデルラットを用いた骨粗鬆症の病態成立機序とその治療法の検討
Project/Area Number |
08838015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 時限 |
Research Field |
老化(加齢)
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40162028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿添 栄一 島根医科大学, 医学部, 助手 (40252910)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 閉経 / 骨強度 / エストロゲン / カルシウム代謝 / 慢性関節リウマチ / 肥満細胞 / 免疫調節作用 |
Research Abstract |
加齢にともない雌ラットでは生殖腺機能の低下が起こる。私たちが確立・系統維持している自然発症骨粗鬆症モデルラットの雌では、生殖腺機能低下後の20月齢で、1日の尿カルシウム排泄量が生殖腺が正常に機能している若齢ラットに比べ、10倍に増加していることが示されている。今回の検討で、1.尿中カルシウム量の増加した加齢ラットは骨の乾燥重量、骨重量当たりのカルシウム含有量、力学的骨強度の有意な低下が見られ、骨粗鬆症モデルとしての有用性が示された。2.尿中イオン排泄量ではカルシウムイオン以外のナトリウム・カリウムイオン等は著明な変化を示さなかった。一方、カルシウム代謝に関連するホルモンの1つであるラットカルシトニン血中値は、加齢変化が認められなかった。3.この系統では18月齢までにエストロゲンの基礎血中値が高い連続発情期から、エストロゲンの低下する連続非発情期になる。したがって、この病態動物では生殖腺機能の低下にともなって血中エストロゲンの低下がおこり、これが骨粗鬆症の成立に関与しているものと考えられた。エストロゲンは副甲状腺ホルモンによる骨吸収を抑制しており、エストロゲンの低下が骨吸収につながると考えられている。エストロゲン補充による病態の発症遅延を今後さらに検討する必要がある。 一方、加齢にともなう別の骨疾患である慢性関節リウマチのモデル動物であるコラーゲン誘発関節炎マウスについても検討した。関節炎症、血中抗コラーゲン抗体価の上昇にともない特に指関節の骨破壊が起こること、関節炎の周囲には肥満細胞が増加していることが明らかになった。さらに新しい漢方薬TBL-1がこの病態変化を抑制することを見いだした。TBL-1の薬理作用は免疫調節作用によると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)