骨芽細胞による破骨細胞活性化の加齢に伴う変化の解析
Project/Area Number |
08838031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 時限 |
Research Field |
老化(加齢)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
腰原 康子 (財)東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 主任研究員 (20073025)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨吸収 / 細胞接触 / 老化 / ヒト |
Research Abstract |
骨芽細胞が産生する破骨細胞活性化因子は、単独では弱い活性しか示さないが、複数の因子が加わることによって活性化が著しく亢進される。そこでヒト破骨細胞のヒトの骨芽細胞による活性化が加齢に伴なってどのように変化するのかを次のように明らかにした。 これまでヒトの破骨細胞は、材料である骨髄が入手しずらいことや、前駆細胞からの形成が困難等からほとんど調べられていなかった。本研究においてまずヒト破骨細胞を効率よく形成する系の確立を試みた結果、骨髄より単核細胞を分離して10^7個の細胞を8cm^2ディッシュに播種して10^<-8>M1,25(OH)_2D_3および20%馬血清を含むα-MEMで2週間培養すると大量の破骨細胞が形成されることが判明した。つぎに材料が少ないことから少量の破骨細胞で感度よく吸収活性を調べる系を検討した。骨片では僅かな吸収しか得られなかった。しかし、骨塩成分であるヒドキシアパタイトを被覆した石英ガラス(osteologic)の中央に50μlの破骨細胞の懸濁液を置いて培養したところ、1,000-30,000個の細胞数に依存してまた1-12日の培養日数に依存して吸収活性が増加した。このosteologicにヒトI型コラーゲンを被覆して骨片に近い状態にして、骨芽細胞による破骨細胞の骨吸収調節を検討したところ破骨細胞と骨芽細胞の接触がない状態では吸収活性の亢進は見られずむしろ抑制された。一方両者の細胞が接触できる系では骨芽細胞によって骨吸収が亢進された。donor ageによる骨芽細胞の骨吸収促進作用の強さの順は20才,65才,88才であった。非常に若い10才のdonorの骨芽細胞はむしろ吸収を抑制した。これらのことから高齢者の骨芽細胞は骨吸収亢進作用が弱く骨代謝が低い可能性が示唆された。しかし若齢および閉経後の患者の骨芽細胞ではin vivoで見られるように骨代謝が高いことが示唆された。加齢における骨芽細胞による骨吸収活性の調節の変化機序を解明することが今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)