Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.B/WF1マウス由来の自己反応性T細胞クローンを樹立し,そのTCRVβ塩基配列の解析を行った.ハプロタイプ混合MHCクラスII分子(Aβz/Aαd)に拘束された3種類のT細胞クローンは,全く独立したクローニングで得られたにもかかわらず,すべて同じVβ(Vβ4),Jβ(Jβ2.6)鎖を使用し,そのCDR3領域も全く同じ塩基配列を有していた.すなわち,自己反応性でAβz/Aαdに特異性を有しているクローンはすべて同じ抗原エピトープを認識していることが明らかになった。 2.そのTCRVβCDR3の塩基配列はAGC CAA GAC CTT AGC TCC TAT GAA CAG TACであった.これをアミノ酸に翻訳し,一文字コードで表現するとSQDLSSYEQYであり,TCRVβ鎖100位に陰性荷電を有するアミノ酸(Glu)が存在している。 3.この自己反応性T細胞クローンを疾患未発症のB/WF1マウスに細胞移入するとIgG抗DNA抗体産生が誘導され,病原性T細胞であることが確認された. 4.疾患未発症の1カ月齢,および自己免疫症状が起こっている6カ月齢のB/WF1マウスの脾臓RNAよりRT-PCR法にてTCRVβ4 CDR3領域の解析を行ったところ,得られたコロニーのうち,100位に陰性荷電のアミノ酸が存在するものは1カ月齢では38.5%,6カ月齢では51.9%と高率であった.コントロールのBALB/cマウスでは1カ月齢で19.0%,6カ月齢で38.1%であった.すなわち,正常マウスよりB/WF1マウスで,また,加齢に伴いTCRVβ4 100位に陰性荷電のアミノ酸が存在するT細胞が増加することが明らかになった. 5.この結果は,TCRVβ CDR3領域アミノ酸の特徴が自己免疫疾患の発症と関連していることを示している.
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