サイトカインによるマスト細胞のアラキドン酸代謝の調節機構の解析
Project/Area Number |
08839020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 時限 |
Research Field |
免疫の制御機構
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 講師 (60276607)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | マスト細胞 / サイトカイン / アラキドン酸代謝 / ホスホリバーゼA_2 / シクロオキシゲナーゼ / PGD_2 |
Research Abstract |
マスト細胞はIgEを介したアレルギー性疾患の原因となる細胞であり、その増殖、分化、成熟過程は微小環境中のサイトカインネットワークにより決定される。申請者は、マスト細胞のエフェクター機能のひとつであるアラキドン酸代謝系に焦点を当て、その分子機構について解析し、以下の点を明らかにした。 【1】マウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)における二相性PGD_2産生の分子機構:BMMCをIL-10とIL-1の共存下、IgE/抗原または組織性サイトカインであるc-kit ligandで活性化すると、数分以内に起こる即時型PGD_2産生に引き続いて、刺激後数時間に渡って徐々に進行する遅発型PGD_2産生が起こることを見出した。即時型応答では、常在性酵素群である細胞質ホスホリパーゼA_2(PLA_2)とシクロオキシゲナーゼ(COX)-1が、遅発型応答では新規誘導型酵素群である分泌性II型PLA_2とCOX-2が機能的に連関し、時間依存的な二相性PGD_2産生に至ることが明らかとなった。また、遅発型応答時にはPGD_2と並んで種々の炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6等)の産生が誘導された。 【2】ラット腹腔由来成熟マスト細胞(CTMC)における二相性PGD_2産生の分子機構:BMMCで観察された二相性PGD_2産生が生体由来の成熟マスト細胞でも起こるか否かを、ラット腹腔CTMCを用いて確かめた。その結果、CTMCを神経成長因子(NGF)で刺激すると、即時応答に続いて強い遅発応答が誘導されることがわかり、実際にマスト細胞の二相性活性化が生体内で起こり得ることが強く示唆された。 【3】新規マスト細胞培養法の確立:BMMCをc-kit ligand存在下線維芽細胞と共培養することにより、CTMC様の反応性を持つ新規培養マスト細胞を樹立した。本細胞はBMMCが本来応答しないG蛋白共役型のCTMC特異的刺激因子に対して応答性を獲得しており、二相性にPGD_2を産生するとともに、顆各種サイトカインを産生した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)