Project/Area Number |
08871055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
仏語・仏文学
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中島 弘二 (1997-1998) 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (40121462)
小倉 和子 (1996) 立教大学, 大学研究部, 助教授 (50214094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 和子 立教大学, 観光学部, 助教授 (50214094)
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
Fiscal Year 1997: ¥250,000 (Direct Cost: ¥250,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | フランス近代詩 / フランス現代詩 / 女性 / 詩的言語 |
Research Abstract |
本年度は最終年度だったので、作品の具体的な読解と分析に専念した。 読解は、広くルネサンス以降のフランス詩を視野に入れながらも、中心となったのは19・20世紀の恋愛詩で、とりわけマルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール(1786-1859)、シャルル・ボードレール(1821-1867)、ステファヌ・マラルメ(1842-1898)、ポール・エリュアール(1895-1952)、イヴ・ボヌフォワ(1923-)などの作品であった。これらの詩人たちの作品の分析を、1、女性たちは作品のなかにどのように描きだされているか、2、書き手が女性の場合、その感性は作品にどう反映されているか、3、一方は書き手で、他方は描かれた対象である男女は、詩という媒介を通してどのような実存的関係を結んでいるのか、といった観点から進めてきた。また、研究代表者の中島は、女性というテーマをフランス近・現代絵画の領域にまで広げ、エドゥアール・マネ(1832-1883)を初めとする画家たちが描いた女性たち(とくにオランピアなど)の分析も進めている。 作業を通して分かったことは、ルネサンス以来、サロンの伝統を通して継承されてきた女性賛美の方法や質が、19世紀に大きく転換しているということである。大革命に始まる一連の社会的変化が男女の関係を主題にした文学作品にも少なからぬ影響を与えていることが分かる。その影響は、幼年期を大革命に翻弄されたデボルド・ヴァルモールの場合にはとりわけ大きいように思われる。本研究はこれでひとまず終了するが、対象となる作品がきわめて多いので、今後もしばらくこのテーマで個人的な研究を続けていきたいと考えている。
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