「契約紛争解決過程における交渉と合意」 の役割の解釈論的・実証的研究
Project/Area Number |
08872005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 仁孝 九州大学, 法学部, 教授 (80183127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 顯治 九州大学, 法学部, 助教授 (50222378)
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 交渉 / 契約 / 紛争 / 裁判 / フランチャンズ / フランチャイズ / 紛争処理 |
Research Abstract |
本研究は、1990年代に入り我が国においてのみならず、欧米諸国においてとみに関心の高まっている「交渉」(合意)の、紛争処理過程において果たす役割について理論的・経験的に研究を進めることを目的としたものであった。その際、経験的側面においては、80年代より欧米、日本において新たな実務的問題として紛争事例の急増している「フランチャイズ契約」を巡る紛争を具体的にとりあげ、当事者・弁護士へのヒアリングを一方では行い、それを理論的、解釈学的な研究とつきあわせようとしてきた。その結果、これまでの契約実体法学の視点の狭隘さに大きな反省を迫る重要な知見が得られた。たとえば、 (1)契約の意味内容は締約時に「客観的」に確定されたものとは到底言い難い場合があり、当事者自身、紛争の展開過程の中でその都度の状況に照らし合わしつつ契約書の「再解釈」を常に行っているということ、 (2)紛争過程における当事者は、なにか確定的な「実体法的権利」を貫徹しようとして、終始一貫した態度を取っているのではなく、紛争過程における自身の取り巻く状況の変化に応じ、あるいは自身を代理するはずの弁護士とのやりとり、および原告(団体)内部での利害関係の変容に強く影響を受けつつ、その都度自身の利害関心を「迷いながら」「再構成」しているということ、 (3)従って、訴訟過程をより実効性あるものとするためには、契約の解除の可否、損害賠償の存否、といった既存の法的枠組みをもって対処しようとするだけではきわめて不十分であり、上記に指摘した紛争過程における「当事者の事故解釈」を活性化するための法理、法実践の具体的内容についてこそ考察がはかられねばならないことが実証的にも明らかになった。 また、本研究約の知見は1997年11月29日〜30日に京都大学法学部において開催された「現代契約理論シンポジウム」と題する国際シンポジウムでも報告され、また現在タイのタマサート大学の協力を得て、アジア法の領域での比較研究へと進展している。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)