Project/Area Number |
08874010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 知之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (80211811)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 近可積分系 / 液膜流モデル / 交通渋滞 / 波数選択 / パルスダイナミクス / 液膜流 / 可積分系 / 進行波解 / 波数選択性 |
Research Abstract |
近年、KdV方程式などの可積分系だけでなく、液膜流やプラズマ、交通渋滞などに現れる可積分系の摂動型の方程式が脚光をあびてきた。液膜流のモデルは1次元のKdV方程式に散逸と不安定の摂動を加えた形のベニー方程式と呼ばれるものである。そこで際立った性質はKdV方程式では本来無数にあるはずのソリトン波のうちひとつが選択され存続し、一意的な速度・振幅の周期進行波解のみ選択されることである。これによって特に有限区間の周期境界条件下では高々有限個の進行波解しか存在しないということが知られていたが、本研究ではこれらの進行波解の安定性解析を行った。その際、線形化固有値問題をKdV方程式の線形化固有値問題の摂動に力学系的手法を用いて帰着し、固有値解析を行った。周期境界条件下での固有値問題は実はこの方程式での解の挙動(ある特定の波長が特に顕著に現れるという数値および物理実験からの予想)を説明するうえで特に重要である。(交通渋滞の問題ではmKdV方程式の摂動に帰着されるがそこでは波長は渋滞の長さを意味する。)KdV方程式の線形化固有値問題が楕円関数などで厳密に表せることをベースにして、摂動部分を数値的に計算した。それによってある波長域のみが安定であること、すなわち2つの異なった不安定化のメカニズムがあることがわかってきた。こうした半解析的-半数値的な手法はKdV方程式の摂動だけでなくより一般の近可積分系に応用できる可能性が高い。 また波膜流の方程式を2次元で考察するとき孤立したパルスが散在しある種の統制されたパターンを形作ることが数値計算により知られているが、漸近解析的な方法によりそのパターンを理解することができることがわかった。いちど孤立波が形成されるとそれらが孤立波のままで空間内を移動する。そのダイナミクスが理論的に得られて解の時間発展を予測できるようになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)