薄膜における冷中性子波動光学現象を用いたトンネル現象の解明
Project/Area Number |
08874019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田さき 誠司 (田崎 誠司) 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (20027436)
海老沢 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027453)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 中性子光学 / ラーモア時間 / ラーモア歳差運動 / 中性子 / トンネル現象 / 磁性体薄膜 / 低速中性子 / 薄膜 / 中性子反射鏡 / 中性子スヒロン干渉 |
Research Abstract |
本研究では、磁場中における中性子のラーモア歳差運動を利用して、中性子が磁性体薄膜をトンネル透過する際のラーモア時間を精密に測定した。ラーモア時間は、磁性体膜を透過した場合と透過しない場合の中性子のラーモア歳差回転角の差を磁性体膜中での磁化で割ることによって得た。ラーモア歳差角の測定には、京都大学原子炉実験所および日本原子力研究所改造3号炉に設置された中性子スピン干渉計を用いた。この装置では、多層膜偏極中性子反射鏡によって鉛直方向に偏極した中性子を、π/2スピン回転装置に通すことによって偏極方向を水平に変え鉛直磁場の中でラーモア歳差運動を起こさせるようにする。磁場中で一定角度回転した中性子はスピン反転装置を透過させることで回転方向を逆転させ歳差回転の収束を行わせ、その後π/2スピン回転装置を通し、偏極解析反射鏡によって反射させて、ヘリウム検出器で検出する。検出器で計数される中性子数は歳差角度の余弦に比例するので、歳差回転用の磁場強度を変化させ、余弦曲線を求めることでラーモア歳差角が測定できる。磁場強度の変化には高い精度で電流を制御することが要求されるので、本補助金で購入した高精度の直流電流源は本研究所には不可欠なものであった。本研究では、偏極中性子反射鏡および偏極解析反射鏡にはパ-マロイとゲルマニウムの互層による多層膜を、試料となる磁性体薄膜としては膜厚が20nmおよび40nmのパ-マロイの単層膜を用いた。本研究の結果、磁性体薄膜をトンネル透過した場合の中性子のラーモア時間は、歳差回転している中性子を上向きおよび下向きスピン中性子の重ね合わせであるとして、中性子光学的に求めた中性子波動関数の位相差から求めたものとよく一致したことが結論された。これに関連する実験として、これまであまり議論されてこなかった吸収を含む場合の中性子のトンネル現象に関する測定が現在計画されている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)