Project/Area Number |
08874023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
横道 治男 富山県立大学, 工学部, 助教授 (30212301)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ホウ素置換ヘテロカーボンナノチューブ / 電子スピン共鳴 / 電子状態 / 電子的特性の制御 / B-ドープカーボンナノチューブ / ダングリングボンド / プラズマ処理 / ヘテロカーボンナノチューブ |
Research Abstract |
カーボンナノチューブを構成する骨格の炭素原子の一部をホウ素や窒素に置換したヘテロカーボンナノチューブの合成を試みた。合成は、BNを含む複合炭素棒を作製し直流アーク放電法により、HeおよびN_2ガス中で行った。合成された試料を、走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)により考察を行った。その結果、通常のカーボンナノチューブと比較して、チューブの長さが数倍から一桁程度長い多層構造を取っていることがわかった。また、x線回折(XRD)により求めた層間距離は、通常のナノチューブとグラファイトとの中間の値を取ることがわかった。以上のことより、ホウ素置換ヘテロカーボンナノチューブ(B-C)を合成することができたと考えられる(窒素に関しては置換されているかどうか明確ではない)。そこで、ホウ素置換ナノチューブの電子状態を電子スピン共鳴(ESR)により考察を行った。その結果、これらのチューブは通常のカーボンナノチューブと比較し、金属的であることが世界で初めて示唆された。このことは、電気抵抗の温度変化によっても確かめられた。以上のことから、カーボンナノチューブの構成元素である炭素の一部を、ホウ素に置換することにより電子的特性の制御が可能であることを示唆した。以上の結果は、論文として受理されており、また、国際会議にも投稿中である。 また、カーボンナノチューブの成長機構を考察することを目的として、炭素の結合を終端するような原子を含むCF_4ガス中でチューブが合成されるかどうかについても実験を行った。その結果、フッ素原子を含むガス中においてもナノチューブを合成することができた。この結果は、カーボンナノチューブの成長機構を考える上で重要であると考えられる。以上の結果は、国際会議に投稿し採択され、また、論文としても投稿中である。
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