Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
ジルコンやモナザイトのようにウラン・トリウムを含む鉱物ではメタミクト化が起こることは古くから知られていた。しかし,メタミクト化の実態については明らかではない.本萌芽的研究では,ジルコンのルミネッセンス持性・ジルコンの色・ジルコンのCHIME年代から,ジルコンのメタミクト化について検討した. (1)同位体年代が測定済みの上麻生磯岩中の片麻岩礫から,パンニングによってジルコンを回収した.集めたジルコンをハンドピックでスライドガラスにのせ,エポキシ樹脂で固定し,色・形・クラック・インクルージョンの有無を検討した. (2)ジルコンの研磨薄片を作成し,偏光顕微鏡で観察後,X線マイクロアナライザーでジルコンのウラン・トリウム・鉛の含有量を測定し,CHIME年代(ウラン-トリウム-鉛年代)を求めた. (3)古いCHIME年代を示す粒子について,広島大学のSHPIMPでウラン-鉛年代をクロスチェックした. その結果, (1)無色からピンク色をした自形性の強いジルコン粒子は,粒子の各部分で組成のバラツキが少なくほとんどメタミクト化していなかった.そのCHIME年代もほぼ一定で,約19〜20億年であった. (2)一方,赤紫色の円磨ジルコン粒子は,色の濃淡に差があり,メタミクト化した部分が認められた.濃い赤紫色〜黒ずんだ部分にはウランが多くウランに比べて鉛は少なかった. (3)CHIME法およびSHPIMPで確かめられた最も古い粒子は,濃いピンクをした円磨ジルコンで,その年代は約33億年であった.このジルコン粒子は日本最古の鉱物である.
|