Project/Area Number |
08874057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60161866)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 生命の起源 / 光学活性 / 中性子星 / 円偏光 / 有機星間塵 / 不斎分解 / トリプトファン |
Research Abstract |
生物有機化合物の光学活性の起源、すなわち、地球上の生命を構成している基本的分子はなぜ片手構造なのか?という問題は、生命の起源、あるいは化学進化の研究においていまだに解明されていない大きな謎の一つである。Bonnerは、中性子星からの円偏光が有機星間塵に照射されれば、アミノ酸の不斎分解がおこりL体がD体より多く残ることになる、と言う仮説を提唱した。 この仮説を検証するために、10Kでアミノ酸の一種であるトリンプトファンのラセミ体に、波長254nmの円偏光を照射する実験をおこなった。その結果、50時間程度の円偏光の照射により数%のDまたはL-トリプトファンの過剰が得られることがわかった。したがって、中性子星からの円偏光が有機質星間塵に低温で照射されれば片手構造の過剰ができることが明らかになった。 次に問題になるのは星間雲と中性子星の遭遇確率である。実験で照射した円偏光の強度、中性子星からの円偏光の強度の距離依存性、および中性子星の出現頻度などを考慮すると、1000個の星間雲のうちの1個で中性子星からの十分な強度を持った円偏光の照射による有機星間塵の不斎分解が起こり、L体またはD体が過剰になっていると結論された。
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