電解ストップトフロー法による不安定原子価錯体の反応性に関する研究
Project/Area Number |
08874082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40039285)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ポルフィリン / マンガン(II,III,IV) / 薄層電気分解分光光度法 / イミダゾール / ESR |
Research Abstract |
ストップトフロー装置に電解混合装置とサイクリックボルタンメトリーを接続し、電気分解によってマンガン(II,IV)ポルフィリン錯体原子価錯体を作り反応中間体の反応性をについて研究した。 (1)不安定原子価マンガンポルフィリン錯体の生成と加水分解定数とイミダゾールとの生成定数。 電気分解しながら同時に吸収スペクトルを測定する薄層電気分解光度法により、tetrakis(1-methylpyridinium-4-yl)porphyrinatomanganese(III),Mn^<III>(tmpyp)^<4+>,から生成したMn^<II>(tmpyp)^<4+>とO=MnIV(tmpyp)^<4+>を生成させ、その酸解離定数とイミダゾール誘導体imidazople,2-methylimidazole,histidine,Boc-histidine)との平衡定数を求めた。[Mn^<II>(tmpyp)(OH)]^<3+>及び〔O=Mn^<IV>(tmpyp)(OH)〕^<3+>の生成定数の値は対数値でそれぞれpKa(II)=11.01;pKa(IV)=11.31であった。また[Mn^<III>(tmpyp)^<4+>]の酸解離定数はpKal(III)=11.11;pKal(III)=12.02であった。マンガンポルフィリン錯体の加水分解定数はマンガンの酸化数態にあまり依存しなかった。同様にして、イミダゾール誘導体とマンガンポルフィリン錯体の生成生数を求めた。それらの値は対数値でそれぞれ、[Mn^<II>(tmpyp)^<4+>]については24±5(imidazole);213±4(2-methylimidazole);56±8(histidine);Mn^<III>(tmpyp)^<4+>については21±3(imidazole;13.77(2-methylimidazole);50±10(histidine);182±55(Boc-histidin).イミダゾールは[Mn^<II>(tmpyp)^<4+>]と[Mn^<III>(tmpyp)^<5+>]と同じ値である。一方2-methylimidazoleでは塩基性がイミダゾールに比べて大きいので[Mn^<II>(tmpyp)^<4+>]と安定な錯体生成する。 (2)ESR測定 電気分解により還元した[Mn^<II>(tmpyp)^<4+>]錯体とイミダゾール誘導体の化合物のESRを測定して、[Mn^<III>(tmpyp)^<5+>]と比較した。次のような興味ある結果が得られた。 ・[Mn^<III>(tmpyp)(H2O)^<5+>]は期待されるようにESRシグナルが観測されなかった。しかし、imidazole、1-methylimidazole、BOC-histidineが[Mn^<III>(tmpyp)^<5+>]に配位すると6本にESRシグナルが観測された。 ・[Mn^<II>(tmpyp)(H2O)^<4+>]はESRスペクトルが観測され、イミダゾール共存中でも6本のシグナルが観測された。[Mn^<III>(tmpyp))^<5+>]はイミダオールと結合すると高スピン状態になることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)