花器官形成遺伝子を用いた被子植物の雌性器官の進化過程の推定
Project/Area Number |
08874123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
系統・分類
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20093221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 光泰 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40237996)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | MADS / 花器官 / 進化 / 分裂組織 / 形態形成 / 細胞分裂 / シダ類 / 種子植物 / 花 |
Research Abstract |
昨年度、ミズワラビから10個のMADS遺伝子をクローニングした。これらの遺伝子について、これまで報告されている種子植物MADS遺伝子とともに遺伝子系統樹を構築した結果、3つのグループに別れることがわかった。本年度は、これらの中から代表的な5つの遺伝子(CMADS1からCMADS5)の発現様式をノーザンハイブリダイゼーションによって検出した。その結果、CMADS1からCMADS4は調べた全ての胞子体組織で発現していることがわかった。CMADS1と4は胞子体のみで発現し、CMADS2と3は胞子体と配偶体の両方で発現していた。ミズワラビ胞子体における器官非特異的発現は、被子植物の花器官形成に関係しているMADS遺伝子が特定の器官原基に特異的に発現しているのと異なっている。さらに、各MADS遺伝子の発現場所をより詳細に調べるためにin situハイブリダイゼーションを行った。昨年の予備的なデータに加えさらに多くの組織について実験を行った。その結果、CMADS1からCMADS4の発現様式は互いに区別することができなかった。これらの遺伝子は、茎頂分裂組織周辺、根端分裂組織周辺、胞子嚢始原細胞など、細胞分裂活性の高いと推定される組織で発現していた。以上の結果は、昨年たてた、元来植物体全体(栄養、生殖両器官)で細胞分裂制御に関与していた少数のMADS遺伝子が、遺伝子重複により数を増やすことによって、機能分化し、特定の組織で発現するように分化して、その結果として花器官が形成されたのではないかという仮説を支持している。本研究で得られた結果を論文にまとめた。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)