赤外線照射走査型トンネル顕微鏡による表面吸着原子種の同定
Project/Area Number |
08875008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 繁彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50189528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 恒一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50159977)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 赤外線照射走査型トンネル顕微鏡 / 原子種同定 / 吸着 / シリコン / リチウム |
Research Abstract |
本研究の目的は,赤外線照射走査型トンネル顕微鏡(IR-STM)法による表面原子の同定に関する基礎研究を行うこと,特に,Li原子をSi表面に吸着させてIR-STMで観察し,吸着したLi原子の同定が可能であることを示すことにある.現在,次の成果を得ている. 1.Si(111)表面上のLi吸着過程のSTM観察:Si(111)表面に1/3原子層のLiが吸着した時に現れるSi(3xl)-Li構造について,STM観察を行い,(3xl)単位胞に含まれる表面Si原子密度は4個であることを決定した.さらに,テラス上,ステップ端およびドメイン境界での(3xl)-Li構造観察から,原子尺度で観察されている輝点間および下地との位置関係を明らかにした.これらの結果およびこれまでの報告結果とから,Si(3xl)-Li表面構造の新たなモデルを提案した. 2.Si(001)表面上のLi吸着過程のSTM観察:Si(001)表面でのLi吸着過程を調べ,Liを500℃で吸着させるとc(2x16)構造が現れることを見いだした.STM,低速電子回折およびオージェ電子分光法で調べ,吸着量は1/4原子層であること,清浄表面の(1x2)構造がc(2x16)構造に変化すること,その単位構造は3倍および5倍間隔で並んだクラスターからなることを明らかにし,そのモデルの提案を行った. 3.Si表面上の吸着Li原子の同定:上述の結果をもとにLi原子の吸着したSi表面を作製し,赤外線を照射しながらSTM観察を現在行っている.これまでのところ,赤外線照射に依存した表面の凹凸の変化は観察されていない.しかし,赤外線照射の方法や測定条件などにまだ多々問題があるため,今後さらに改良して観察を行う.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)