Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
これまでエキシトン発光に関する研究は低温に限られていたため、エキシトン発光を用いる微小光共振器の研究も低温での研究に限定されていた。当該研究は,エキシトン発光線幅を決めるエキシトン散乱を超格子の量子閉じ込め効果で低減し,自然放出光の制御,フォトンと電子系のコヒーレント相互作用の研究を室温で実現しようとするものである。 当該研究に関連して,特にバンドオフセットが大きく強い量子閉じ込めが可能なZnSe/MgS超格子を提案したが,その基本的物性定数であるバンドオフセットを光電子分光法を用い測定し,価電子帯バンド不連続が1.85eVと大きいことを明らかにした。また光学特性から伝導帯バンド不連続は0.6-0.8eVと見積もられ,MgSのバンドギャップが従来間接的に見積もられていた4.5eVより大きい5.2-5.3eVであることを示した。 前年度この超格子におけるエキシトン吸収が室温まで明瞭に観測されることを示したが,その発光も室温までローレンツ型のエキシトン発光であること,また発光線幅も吸収線幅の温度依存性とよく一致することを示した。 このエキシトン発光を光微小共振器に導入する効果を計算機シミュレーションし,共振器の線幅と発光線幅が一致する場合に大きなラビ分裂が生じることが示された。また分布光反射器の製作を進め,ZnSe/ZnSによる分布光反射器を作製して10周期で理論値に近い95%程度の反射率が得られることを確認した。また理論計算から20周期で99.5%以上の高反射率が期待できることを示し,近い将来室温青色微小共振器を実現する基礎を固めることが出来た。
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