Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
本研究では,バイオリン演奏を具体例として,人間の運動決定過程と感性との関係を明らかにすることを目的としている.本研究ではこれまでに,バイオリン演奏における感性情報である音色表現語と,運動パラメータであるバイオリンの演奏パラメータとの関係を明らかにし,その結果を用いて音色表現語を演奏パラメータに変換するアルゴリズムを構築した.しかし,そのアルゴリズムで対象としていた音はA線開放弦の一音であり,表現の幅は十分とはいえなかった.そこで本年度は,音の時間変化も考慮するため,メロディーの一区切りであるフレーズに着目した.そして,音色表現語と,弓速・弓圧などの演奏パラメータやテンポなどの対応の基本構造を,心理実験により明らかにすることとした. フレーズとしては,楽譜自体の持つ音色への影響度がもっとも小さいと予想される音階に着目し,イ長調単旋律「ドレミファソ」を対象として選定した.心理実験に用いる音データは,パソコン上に録音された,様々な演奏パラメータの音をパソコン上で合成することにより,合計138類を用意した. 以上のサンプルに対して,SD法(7段階評価)により,18名の被験者を対象として心理実験を行った.なお,音色表現語としては,10対20種の音色表現語を選び,提示した. 心理実験によって得られたデータを,因子分析および多次元尺度構成法により分析した.その結果,ある音色表現語の印象で弾きたいときにはどのようなパラメータで,どのようなテンポで弾けばよいのかを明確に示すことができた.
|