Project/Area Number |
08875100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神田 順 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80134477)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 安全性水準 / 地震被害データベース / 意識調査 / 耐震設計 / 最適信頼性 / 社会的合意 |
Research Abstract |
安全性、耐震性の関する意識調査が、阪神・淡路大震災以降、様々な形で実施され、住宅購入時にも耐震性が判断基準の上位に位置されるなど、社会全体が耐震性に強い関心を持っていることが明らかにされている。地震被害報告についても多くの研究機関から公表されているが、耐震安全性水準の実態は必ずしも議論できる形で整備されていない。 建築研究所により公表された被害データベースと地震動強さの分布に関する資料をもとに、マクロな分析結果として、小破、中破、大破を生ずる平均的地動加速度としては、変動係数30%〜40%の推定のもとで、それぞれ約700Gal,900Gal,1100Gal程度であることを明らかにした。小破、中破、大破に到った建築物の補修費用に関するデータ収集と統計評価を用いて、総費用最小化概念に基づく最適信頼性解析に組み込み、観念的に財産保全に対する意識に対して、定量的な分析に基づき安全性水準の具体的な値を求めた。 社会的合意は、大半の国民が安心できることを条件とすると考えられるが、この安心は、阪神・淡路大震災以前にあっては、十勝沖地震(1968)、宮城県沖地震(1978)などの経験を通して、かなり一般のものになっていたのが、現実の大規模・広範囲な震災の前に多くの不安を生んだ。安全性は、技術的な情報をもとに、信頼性指標などの形で定量的に評価されるが、それを心理的な安心感と対応させるためには、様々な情報伝達が欠かせない。単に教育普及に限ることなく、設計技術者が積極的にそれら新しい考え方を取り込み実用化する努力を行うこと、さらに建設行政がそれをバックアップする形で進めることにより、一般の国民の耐震安全性に対する主体的かかわりが認識され、安全性水準が現実に意味ある検討対象となることが期待される。
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