Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
鉄系合金を水素-窒素プラズマやアンモニアなどによって窒化する際に,ランタンなどの希土類元素を試料近傍に配置することにより,窒化速度が促進されることが報告されている。この事実を確かめるため,鉄-クロム合金を窒化する際にランタンを脇に置き,530℃でプラズマ窒化を行った。その結果,外部窒化層に,鉄窒化物以外にランタン窒化物も現れて,外部窒化層全体としては厚みが増大したが,内部窒化層の厚みには有為な変化が見られなかった。脇に設置した希土類金属は,窒化雰囲気中に浮遊したのち,試料表面に付着して窒化層の膜厚を増大させたものと考えられ,主として表面層の厚みに影響を与えることが判明した。この傾向は,窒化材として最も実用的と思われる,鉄-クロム含有合金においてとくに顕著に見られた。一方,この鉄-クロム合金の窒化においては,反応速度と同様に機械的性質も重要な要素である。この特性はビッカース硬度で判断されるが,これは試料内部の酸素濃度や熱処理などの影響を強く受けることが知られている。そこで本年は,鉄-クロム系合金の窒化物焼結体の性質を中心に調べた。鉄-クロム合金粉末をガス窒化し,ボールミルで粉砕したものを水素気流中でホットプレスを行って焼結したところ,窒化物はCrNとCr_2Nの2種類が存在し,その量の比はクロム含有量に依存して変化することが判明した。ビッカース硬さについても,クロム窒化物の体積率の増加につれて上昇した。熱伝導率と熱膨張率は,ともにクロム窒化物の体積率が大きくなるほど減少した。
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