Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
光合成を人工的にシミュレートすることは、基礎的に重要であるばかりでなく、将来の食糧、エネルギー、資源開発にとっても意義深い。我々は、ペルオキシダーゼやクロロフィルの活性中心では、機能性分子であるポルフィリンがタンパク質に覆われた状態で機能している事実に着目し、抗体がポルフィリンを包接した状態でペルオキシダーゼ活性や光合成能を有する機能性抗体を創製できると考えた。既にポルフィリン鉄錯体を抗原とする抗体を用い、新規抗体ペルオキシダーゼ(L-zyme)の開発に成功しており、触媒機構の解析も進みつつある。本研究では、L-zymeの活性中心に相当するポルフィリン部分をクロロフィルに代表される、マグネシウムや亜鉛イオンに置換した光励起中心をデザインし、光触媒反応のモノクローナル抗体による増強を試みた。その結果、ポルフィリン亜鉛錯体を用いた場合、光増感作用が認められ、抗体の添加により電子伝達体メチルビオロゲンの発色が増強された。上述の考察のためには、抗体の抗原認識部位、つまりは、抗体の結合状態における、ポルフィリン周辺のアミノ酸の種類や配置に関する情報が必要である。そこで、抗体タンパク質の立体構造をAbM抗体三次元構造予測プログラムにより推定した。その結果、天然のペルオキシダーゼにも認められる近位側HisとしてHis38がCDR1に、また遠位側His,ArgとしてHis94,Arg96がCDR3にそれぞれ活性に重要なアミノ酸残基として存在していると考えられた。各アミノ酸残基の重要性を検討するために、変異型L-zyme H38A,H94A,R96L,及びR96Kを作製した。
|