Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
自己相似性があり,特徴的な長さを持たない複雑な図形をフラクタルと呼ぶ.フラクタルには次元が定義できる.ある図形が全体を1/aに縮小したa^D個の相似図形からなるとき,この指数Dをそのフラクタルの次元と定義する.この次元はフラクタルの複雑さを定量的にあらわした尺度である. X線回折法は,X線の波長λ_1を物差しとして,結晶の格子間隔(ブラッグの式),結晶粒径(シェラ-の式),質量の集団平均(小角散乱)を計測する手段と見ることができる.異なる波長λ_2のX線で測定したときに,これらの値が変化した場合には,それぞれの物理量がフラクタル性を持つと考えてよい. 本研究課題を進行の途中で,思いがけず,新しい発見を行う事ができた.従来測定が難しかった,軟X線領域のX線吸収スペクトル(XANESやEXAFS)が,蛍光X線分析装置やEPMAで容易に測定できるというものである. 我々は金属AlのKα線蛍光X線スペクトルを測定し,その低エネルギー側にEXAFSと類似の微細構造を発見した.この微細構造をフーリエ変換すると,第1から第4近接のアルミニウム原子までの原子間距離を求める事ができた. 我々は蛍光X線や電子励起X線を用いるこの方法を,EXEFS法と名づけた.E__-xtended X__--ray E__-mission F__-ine S__-tructureの頭文字を取ったもので,EXAFSとはabsorptionかemissionかが異なるのみで,わかりやすい命名であると自負している. EXEFS法に用いる事ができる蛍光X線装置は日本国内に800台,全世界では10000台あるとの事である.また波長分散型分光器を有するEPMAは国内に800台,全世界では3500台ある.企業の分析センター等で元素分析や局所分析に用いられているXRFやEPMAにより,今後EXAFS(EXEFS)測定が行なえれば,この分野の構造解析が飛躍的に発展する可能性がある.
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