Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
ガラス状態における高分子鎖の緩和の研究は、凝集状態にある鎖の運動の解明という高分子物理化学の課題のひとつであると同時に、高分子の成形加工性や安定性を制御・改善する上で重要である。本研究の目的は、誘電分散と粘弾性測定を組み合わせることによって,新しい高分子ダイナミックスの研究方法を開発し,また大変形粘塑性流動を受けた高分子の主分散緩和(セグメント緩和)について解明することにある。 このため,まず粘弾性関数と誘電分散が同時測定できる装置の開発を行った。変形様式としてはまず変形を採用し,粘弾性測定装置のジグに3極子の電極を取り付けた。これに誘電ブリッジを接続し,誘電測定を行った。 この装置の有効性は,スチレン-イソプレントリブロック共重合体についての測定から明らかにできた。イソプレンブロック部のみが誘電活性であるため,誘電分散はイソプレンブロック部の運動性を反映する。ずり流動を印加することによって,トリブロック共重合体ではミクロ相分離構造からの引き抜き等が期待されるが,その効果の評価を行った。 ガラス高分子の大変形に対しては,使用している粘弾性測定装置の温度,応力レベルの関係か現時点では十分な詳細な検討をするには至っていないが,これらの問題は今後解決できる見通しが得られた。
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