Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
ニューラルネットワークを用いて、飛行荷重より生じる実測できる物理量に基づいて飛行荷重を同定する方法の確立は本研究の最終的な目的である。研究計画としては、平成9年度、実験と応用面での段階に入り、実際の飛行機を対象に、荷重同定を行う予定であったが、実験に使わせる飛行機がなかったので、ニューラルネットワークの荷重同定への応用についてさらに深く検討することにした。揚力面を片持ちばりとモデル化し、揚力面に働く空力荷重を、多集中荷重、移動荷重、円錐曲線分布荷重、放物線分布荷重とモデリングした四種類の荷重同定問題を行った。学習データは、理論計算で作成し、改善された逆伝播アルゴリズムをNN(ニューラルネットワーク)の学習則とした。学習則に含まれている各パラメターよりNN学習の収束生に与える影響について詳しく検討した。局部探索法で、学習パラメターの割合適切な組み合わせを探し出した。学習の収束性、そして、荷重同定の精度に影響する要素がいくつかある。中には、NNの形態、学習パターンの質と量、学習則とそのアプローチ、学習則に含まれる学習定数の組み合わせ等が主である。もし、学習則の組み合わせが不適切であれば、学習が発散する可能性がある。逆に、最適な組み合わせが探せば、収束が著しく速くなる。荷重同定を行う時、これらの要素を十分検討した上で決めることより、NNを荷重同定へ有効に応用できる。今後、実験に使わせる飛行機があれば、実機の揚力面を対象として、地上校正試験よりNNの学習データを得て、NNに学習させ、飛行試験を通じて、揚力面の歪みと変位を実測し、実測した歪みを、学習の収束して終了したNNに入力して、荷重同定を行う研究をしたい。この二年間の研究成果に関して、内外関連する学術誌に3編の論文が掲載され、国際会議で2編の論文を発表した。
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